物語編第1話:XJAPANとの出会い
僕は幼い頃はとてもおとなしく、
本当に目立たなくて、影の薄い子供でした。
・自分の意見が言えない
・自分の意思がわからない
・いつも周りの目が気になって緊張している
・目立たないように気配を消している
そんな子供でした。
文句は言わないし、
言われた事をちゃんとやるし、
トラブルは一切起こさないし、
誰にも反抗しないし、
いつも笑っているし、
夕方には帰る。
いわゆる「いい子」
でも
僕は自分がとても嫌いでした。
見た目もダサいしカッコよくない。
いつも他人の目が気になって怯えている。
だから何も言わずに笑ってやりすごそうとしているだけ。
そんな弱くて臆病な自分がすごく嫌いでした。
「もっと自分を表現したい。。。」
そう思うけど周りが気になって何もできなかったのです。
でも、そんな僕にも転機が訪れます。
大学生のある日、僕は学校の教室でyoutubeを見ていました。
当時のyoutubeはまだ画質も音質も悪かったですが、テレビでは見れない映像が沢山そこにありました。
「次は何を検索しようかな。。。」そう考えていたら、
一つの単語が天から降ってくるかのように、思い付いたのです。
その単語は、
XJAPAN
なぜこの単語が思い浮かんだのか今だにわかりません。
どこで聞いたのかわからないけど、「過去に存在した伝説のロックバンド」という事だけ、どこかで聞き覚えがありました。
「伝説か、、、どんな人達だったんだろ」
僕は、その単語をyoutubeの検索画面にゆっくりと打ち込みました。
すると、、、、
「、、、、!!?!?!!!!驚」
派手な見た目、
息もできないような激しいドラム、脳を突き刺すようなサウンド。
心が震えた。
生まれて初めての感覚でした。
(参考)当時見た動画のひとつ↓
・麻痺してた心が、動き出す
「この人たちは、他人の目を気にせずに、ありのままに自分を表現してる。
僕もこの人達みたいに、ありのままの自分を表現したい。
素直に生きたい。
このままの自分で死ぬのは嫌だ。
その時、動画の中のtoshiが叫ぶ
「やりたいようにやっちゃえよ!ウジウジしてんじゃねー!」
「もういい、
僕はパソコンを閉じ、その足で髪をセットするワックスと金髪にするブリーチとコンタクトレンズを買いに行いました。(人生初の化粧品です)
次の日には大須(名古屋の商店街)に行きヴィジュアル系の服屋に行き、その値段にびっくりしながらも購入。
ダボダボのトレーナーと
ダサいメガネと
オカッパ頭の僕は、1日で消えさりました。
金の髪の毛はウニのように突き上げ、
全身真っ黒で細身の服、
チェーンを腰に巻きつけ、
ネックレスは3重5重にもしていました。
「変わったねw」
昔の友達や、同窓会の時にそう言われるのが何よりも嬉しく思いました。
それは、もう昔の自分じゃないという実感を得られたからです。
久しぶりの友達から「誰?」と言われることもよくありました。
でも、それすらも楽しかったのです。
・人は、一瞬で変われる。
XJAPANと出会った日から僕は毎日のようにXの動画を見ていました。
その中でも何より好きだったのはyoshikiさんのピアノとドラムでした。
彼の作曲した曲と、それを奏でる彼の姿はあまりにも美しく、かっこ良かった。
「僕もyoshikiさんみたいになりたい」
憧れという感情を生まれて初めて感じた瞬間でした。
僕は自分の意思よりも、周りがどう思うかを優先していましたから。
Xと出会って、自分に素直になった時から、自分がどう思ってて、何が好きで、何が嫌いかをちゃんと感じ取れるようになっていきました。
そんなXと出会ったその翌年2007年、
奇跡が起きました
僕は大急ぎでファンクラブに入り、
僕はバイトのシフトを大量に入れてもらって、ライブの為のお金を貯めはじめました。
「1夜限りの復活かもしれない、このチャンスを逃したら一生行けないかもしれない。」
僕は当選する確率がとてつもなく低いこのコンサートに向けて全力で行動をはじめたのです。
もうこの時には、周りの目を気にして行動出来ない弱い自分は卒業出来ていたのだと、これを書いてて思いました。
チケットは奇跡的に当選。
人生で一番派手はヴィジュアルメイクをして、
1人夜行バスに乗り、
僕にとってのヴィジュアル系は、世の中への反抗でした。
自分を押さえつけてきた世間と、
それに負け続けてきた今までの自分、
それに対して、復讐していたのかもしれません。
だからなのか、反動として当時の僕は誰の言うことも聞けなくなっていました。
他人の言う事を聞いてしまったらまた昔の自分に戻ってしまうような恐怖があったのかもしれません。
あの頃の自分は、自分の感覚を取り戻す事に必死だったのです。
世の中には
「こうあるべき」
「男なんだから」
「大人なんだから」
「普通は」
僕は子供の頃、そういう常識を疑いもせずに全て従っていました。
自分の意思よりもそれを優先していました。
でもそのうちに自分の心が何を望んでいるのか感じ取れなくなっていました。
それはまるで心に麻酔薬を打ったかのように。
もしくは、
僕はその苦しみを知っています。
もう2度と自分の心を落としたくありませんし、もう落とす事はないでしょう。
XJAPANは、僕が落としてしまった僕の心を見つけるきっかけを与えてくれた。
そんな存在だったような気がします。
たった数分の動画が僕を救ったのです。
人は一瞬で変われるのです。
今が苦しくてもいつか必ず何かに出会い、人生が動きだす。
色々なものに触れてみてください、
気の向くままに、
次回、社会人編
↓次章:ピアノを買う
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