捨てる=ありがとう
部屋には色々な物が溜まる。
中には思い出が詰まっててなかなか捨てられないものもある。
でも捨てられないからといって、それを部屋に置きっ放しにしていると、いつしか忘れて、ホコリがかぶっていく。
僕は物を生き物のように思うときがある。
時を重なると役目を終えて使わなくなる物は出てくる。
そういう物を見つけたときには、
少し変かもしれないけど、
生き物の死骸を見たような気持ちになる。
人が亡くなったら火葬して天に送るのと同じで、
そういう物を見つけた時に感じるのは、
「天国に送ってあげなければ」という気持ち。
捨てて素材に戻り、新しく加工され、また誰かの、何かの役に立つために生まれ変わる。
以前、一人暮らしをする前に実家の大掃除をした。
その時に子供の頃遊んだカードゲームが出てきた。
幼い時の思い出が詰まった品。
かなりホコリが被って劣化していた。
それはすでに、役目を終えて、「次」を待っている姿だった。
ちゃんと捨てて供養してあげなければ。
ホコリをはらって、
あの頃の思い出、得た経験、今との繋がりを味わいながら、
ゴミ袋へ運ぶ。
ゴミ袋に入れる瞬間。
罪悪感は不思議と無い。
あるのは、
「ありがとうございました」
捨てたのはこのカードゲームだけじゃない。
捨てずに放置していたものを感謝を込めて捨てていった。
するとみるみる部屋が明るくなっていった。
断捨離は無理に切り捨てるものじゃない。
捨てる時でさえ、優しい気持ちになれるものなのだと思っている。
僕の今の部屋には1年を通して一度も触らないものはない。
必ず1年の内のどこかで僕の肌が触れて、活躍してくれる。
今、自分の部屋が本当に気持ちがいい。
この空間を作るために、すべての物が活躍してくれている。
僕がよりよい人生を歩むために手助けしてくれている。
そういう感覚がある。
自分の部屋は世界で一番自分の好きが詰まった場所。
無駄なものは置かない。
必要なものだけが最高なものであればいい。
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